近年、全国各地で熊の出没や被害が相次いでいます。山に熊が増えた、住宅地に熊が現れた――そんなニュースを耳にすることも多いのではないでしょうか。
その背景には、意外な原因である「放任果樹(ほうにんかじゅ)」の存在があります。
この記事では、熊による人身被害を防ぐために、なぜ放任果樹の伐採が必要なのかを分かりやすく解説します。
放任果樹とは?なぜ熊が寄ってくるのか

放任果樹とは、かつて庭や畑に植えられた柿や栗などの果樹が、手入れされないまま放置されたものを指します。
実が落ちても収穫されず、発酵して強い匂いを放つため、熊にとっては「人里にある天然の餌場」になってしまうのです。
熊は非常に嗅覚が優れており、数キロ先の果実の匂いを感知すると言われます。
一度人里で食べ物を得た熊は、「ここに行けば食べ物がある」と学習し、翌年以降も繰り返し訪れるようになります。
つまり、一本の放任果樹が熊の定着を招く原因になるのです。
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放任果樹を放置するリスク

- 熊が人里に出没しやすくなる:食べ物を求めて住宅地や学校の近くまで来る可能性があります。
- 人身被害の危険:遭遇が増えることで、攻撃や事故につながる恐れがあります。
- 地域全体への影響:一軒の放任果樹が、近隣の安全にも影響を及ぼします。
こうしたリスクを減らすためにも、「熊を呼ばない環境づくり」が大切です。
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「実を落とす」よりも「伐採」が効果的な理由

「実を落とせば大丈夫」と思う方も多いかもしれませんが、実際にはそれだけでは不十分です。
落ちた実や発酵臭も熊を引き寄せてしまうため、根本的な解決には伐採が必要です。
放任果樹を伐採することで、熊の餌場そのものをなくし、人里に近づく動機を減らすことができます。
特に住宅や通学路の近くにある果樹は、早めの対応が求められます。
以前にお庭の栗と柿の木の伐採を行った依頼がありました。そのお客様は毎年落ちる実や葉が近くの畑に散乱してご迷惑をおかけしていることを気にしての伐採でした。
その後、近くに熊の目撃情報がありましたが被害に合わずに済んだのは伐採をしたおかげかもしれません。
放任果樹を伐採・管理するためのポイント

- 管理できない木は思い切って伐採する:収穫や手入れが難しい場合は、安全のための決断を。
- 空き家や空き地の木は自治体に相談:所有者不明の場合、行政対応できるケースもあります。
- 地域で協力して見回り:一本の木を放置しない意識が、熊被害の防止につながります。
自治体によっては、伐採や熊対策に関する補助金制度を設けているところもあります。
お住まいの地域の環境保全課や農林課に相談してみましょう。
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「切ること」は「守ること」

「昔からの木を切るのはもったいない」「かわいそう」と感じる方も多いでしょう。
しかし、一本の木を残すことで熊が人里に定着し、人が危険にさらされる現実があります。
伐採は自然破壊ではなく、人と熊が安全に共存するための選択です。
私たち一人ひとりの意識と行動が、熊被害のない地域づくりにつながります。
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まとめ:放任果樹の伐採で熊を寄せつけない環境を
- 放任果樹を放置しない
- 管理できない木は伐採・撤去する
- 地域全体で協力して熊対策を進める
熊の出没を防ぐには、熊が人里に来る「理由」をなくすことが第一歩です。
放任果樹の伐採は、そのための最も効果的で現実的な方法といえます。
「一本の木を切ること」は「地域の命を守ること」――今こそ、放任果樹の見直しを進めましょう。
当方では、依頼を受けた際は必ず現地を確認しから料金やご要望など双方の納得の上で作業を行います。
お見積りは無料で行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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